注文住宅にくつろぎと機能性を両立する小上がり空間を作ろう

公開日:2024/11/15

小上がり空間

注文住宅において、近年注目されているのが小上がり(こあがり)空間です。段差を利用した設計により空間を立体的に活用し、さまざまなライフスタイルに適応させることができるという魅力的な特徴を持っています。本記事では注文住宅における小上がりの種類や作り方のポイント、小上がり作成時の注意点を紹介します。

注文住宅におすすめの小上がりの種類と段差の高さ

小上がりの種類と段差の高さについて、ここでは解説します。

小上がりの種類

小上がりには床全体を一段高くするタイプと一部のみを小上がりにするタイプがあります。床全体を一段高くするタイプは広い空間を確保したい場合におすすめです。リビング全体を小上がりにすることで、開放感のある空間を演出することができます。

一方、一部のみを小上がりにするタイプは限られたスペースを有効活用したい場合に適しています。和室スペースや書斎スペースなど、特定の用途に合わせて小上がりを設けられます。

小上がりの高さ

小上がりの段差の高さは一般的に20~40cm程度です。この高さを調整することで収納スペースを確保することができますが、一方で段差により昇降が大変になったり、小さな子どもやお年寄りが転倒したりするリスクが高まることもあります。転倒リスクを考慮したいときには、小上がりに取り外し収納できる階段やスロープ、手すりなどの設置も検討しましょう。

小上がりの造り

小上がりは和室のような空間だと思われがちですが、近年ではフローリングを設置した洋室風の空間も作成できます。収納式の壁やカーテンを用いて、部屋風の状態にできるものも人気です。和室か洋室か作成したいデザインの小上がりを決定しておき、注文住宅の担当者に伝えてください。小上がりの造りのイメージを固めておけば、施工がスムーズになります。

注文住宅における小上がりのメリット

注文住宅における小上がりのメリットにはどんなものがあるのかを、ここでは解説します。

空間の広がりと立体感が得られる

小上がりの段差によって空間を分割することで、視覚的に広く感じることができます。また天井高に変化をつければ、立体感のある空間を演出できるでしょう。小上がりにすることで天井が高くなり、開放感のある空間の演出ができます。段差によって視線を遮ることもでき、居心地のよい空間を作るのにも効果的です。

幅広い用途で活用できる

多様な用途での活用も、小上がりの大きな魅力です。畳敷きの和室スペース、子どもたちの遊び場など家族のライフスタイルやニーズに合わせた空間を設けることができます。リラックスできる和の空間を提供するだけでなく、大人のテレワークスペースとして活用するプランも人気です。

収納を増やせる

小上がりの下には収納スペースを設けることが可能です。普段使わない家電や季節ものの衣類などを収納して、部屋を広くすっきりとした印象に保つことができます。布団などを収納し、小上がりを寝室として使うプランも人気です。住宅の中に見せない収納を増やせるため、室内をスタイリッシュに見せたい方はぜひ小上がりの下に収納スペースを作成しましょう。

注文住宅における小上がりのデメリット

一方、小上がりにはいくつかのデメリットも存在します。

転倒リスクが高い

小上がりには、段差による転倒リスクがあります。とくに小さな子どもやお年寄りがいる場合には、段差による転倒リスクに注意する必要があるでしょう。段差の高さや形状に工夫し、階段やスロープ、手すりを設置することで家族の転倒リスクを軽減することができます。

どうしても小上がりにある転倒リスクを避けたい方には、段差のある小上がりではなくフローリングの一角に畳の空間を作るプランがおすすめです。平坦な部屋の一部に、くつろぎのスペースを作れます。

施工費用が高くなりがち

小上がりの施工には通常の床よりも費用がかかりがちです。段差の高さや広さ、使用する材料などによって費用が大きく変動する点も考慮する必要があります。収納の追加や手すりなどの設置をする場合には、さらに費用がかかります。予算は潤沢に用意しておきましょう。

採光や通風にも注意が必要

小上がりにすることで採光や通風が妨げられる可能性があるため、窓の位置や大きさを工夫することが求められます。最後に、インテリアのデザインも重要です。小上がりのデザインやインテリアは、全体の空間と調和するようにすると、より魅力的な空間を作れます

注文住宅で小上がりを実現する際のポイント

注文住宅で小上がりを実現する際には、いくつかのポイントに注意が必要です。まず、ライフスタイルに合わせた設計を考慮しましょう。小上がりの用途や段差の高さは家族構成やライフスタイルに合わせて設計することが求められます。小さな子どもやお年寄りがいる場合には、段差による転倒リスクを軽減するための設計も必要です。

まとめ

小上がりはくつろぎと機能性を両立するための魅力的な空間として、多くの注文住宅で採用されています。しかし、その導入に際してはメリットとデメリットをしっかりと理解し、家族のライフスタイルや小上がり使用時の安全性、部屋の採光や通風などの要素を考慮した設計が求められます。これらのポイントを押さえつつ、自分たちにとって最適な小上がり空間を実現することで、快適で機能的な住まいを手に入れることができるでしょう。

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